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英国総督 最後の家

2018/08/30
●「英国総督 最後の家」
監督 グリンダ・チャーダ
出演 ヒュー・ボネヴィル ジリアン・アンダーソン マニシュ・ダヤル フマー・クレイシー マイケル・ガンボン 他

公式サイト

第二次世界大戦後、インド、パキスタンの独立前夜、イギリスが主権譲渡をするため最後のインド総督となったマウントバッテン卿を中心にインドで何が起こっていたかが描かれている。

良さそうな評判と、ここのところ19世紀、20世紀のイギリス関連ものに興味が続いていることで見に行ったのだけれど、私的にはとてもよかった。これが、都内では1館でしか上映されていないということも、残念だなと感じる。

そもそガンジー、ネールの名前とざっくりどんな人くらいの知識はあっても、インド独立に関してそれ以上の知識はほぼ無い状態でみたのだが、どんなことが起こってインド、パキスタンの分離独立に至ったのか、宗教をめぐっての暴動や大量虐殺などが行われたこと、そしてとにかく無理やり境界を引いたために、相互に難民が大発生して大混乱がおきたことなどが、2時間にコンパクトにまとめられていてよく理解できた。
そして、その歴史的事実も衝撃ではあったが、その中にあってそれぞれの人がその人なりの正義や考えのもとに行動し、どうしようもない渦の中に巻き込まれていく姿が辛かった。
マウントバッテン卿も、そして妻のエドウィナも、できるだけ良い状態のインドを引き渡したいとインド人に対して誠実に向き合おうとするも、各地で起きる暴動や虐殺等をとにかくおさめたいことからすごくタイトなスケジュールの中での譲渡となり結果大量の難民と混乱を引き起こすことになったし、ガンジー、国民会議派のネール、イスラム教徒の指導者であるジンナーとそれぞれの立場で最良と考えることを主張し、暴動を起こす人々を抑え込むことも難しく、性急な分離独立へと動いていく。
そして、その中で、以前は宗教が違っても隣人として、仲間として仲良く共存していた人達が、インド、パキスタンの双方に分かれ争い、相手を排斥していくことになる。そして、その中でヒンズー教徒のジーク、ムスリムのアーリアがお互いの気持ちを通いあわせ、でも諸々の事情で引き裂かれるも、最後に虐殺で死んだと思われていたアーリアとジークが再会するシーンは、辛い中に平和への希望を感じることができる。

このジークの描き方がとてもよい。新人として総督官邸にやってきたところでは、インドが独立できることへの喜びがありマウントバッテン卿に対してもすぐにいなくなってしまう人という認識、さらにはアーリアに振り向いてもらうことばかりに熱心だが、従者として仕えるにつれ、マウントバッテン卿の苦悩、それぞれの指導者の考えも見聞きし、マウントバッテン卿に対して信頼を寄せるようになってくる。しかし、それも暴動、虐殺、インド、パキスタンの分離独立、そして故郷の家族が虐殺され、父を思いパキスタンへと旅立っていったアーリアが移動の列車中で虐殺されたことを知ると、イギリスへの不信と現状への絶望、こういった一連の出来事を通してまなざしや表情がドラスティックに変化していく。
また、指導者だけのやりとりではなく、ジークを主軸とした総督官邸で働く人々の様子、さまざまなやりとりが描かれることで、分離独立ということが紙に書いたことだけでなく、実際にどういうことだったのかがリアルに感じられる。


ちなみに、このマウントバッテン卿は、この映画中ではヒュー・ボネヴィルが、威厳を感じさせつつも親しみがわく人柄を演じているが、インドに来る前ににはビルマ戦線で日本軍と戦って勝利したり、東南アジア方面の日本が占領していた地域の戦後処理もになっていた方で、そういうった経緯から日本人に対しては、葬儀への列席を拒むなど感情的にしこりを残していたらしい。私はピンときていなかったが、おそらく日本の東南アジアでの戦争などを扱った作品などにも当然描かれているはずの人物で、きっとその時の見方によって描かれ方なども大きく変わってくるのだろうなと思った。



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01:10 映画 | コメント(0)
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